パンデミック下での「どちらの患者を治療するか」という選択、尊厳死、出生前診断…生命倫理の入門書ロングセラーを全面増補改訂
株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷口奈緒美)は2021年4月23日に『命は誰のものか 増補改訂版』(香川知晶・著)を刊行しました。
- コロナ禍における生命倫理の問題
2019年に発生した新型コロナウイルス感染症は世界中で広まり、現在でも終息は見えていません。日本においても感染は広がり、2度の緊急事態宣言が発令されました。
感染の拡大に伴って、病床の逼迫や医療従事者の負担増加により、どの患者から助けるか、優先順位をつけなければいけないという議論がなされることもありました。
限られた医療資源で患者を救わなければならないなかで必要な議論ではあると思いますが、パンデミックだからといって患者に優先順位をつけることは許容されるのでしょうか?
- 生命倫理の問題に、あなたはどう向き合いますか?
2009年臓器移植法の改正に際し、初版『命は誰のものか』を刊行しました。
それから12年、パンデミック下での「どちらの患者を治療するか」という選択、尊厳死、出生前診断など、人間の生命をめぐる新たな問題が生まれています。
そこで、初版の内容に加え、これらのトピックを含めた増補改訂版を発売するに至りました。
まさに現在わたしたちが直面している「コロナ・トリアージ」、ゲノム編集、優生思想、出生前診断、安楽死、脳死臓器移植等々について大幅に増補したほか、初版記載のデータも全面的に更新。生命倫理の最も充実した入門書です。
現在、人間の生命をめぐって、どのような問題が生まれ、どのような議論があり、なにが問われているのか。
この1冊が考えるきっかけになるでしょう。
第一章 あなたは、薬や医療設備が足りないとき、治療する人を選んでもいいと思いますか?あなたなら、誰を選びますか?──生命倫理、最初の問題
第二章 あなたは、パンデミックの状況では患者に優先順位をつけてもやむを得ないと思いますか?──COVID-19トリアージの問題
第三章 あなたは、生まれてきた子に重い障がいがあったとしたら、治療に同意しますか?そのまま死なせますか?──障がい新生児の治療停止
第四章 あなたは、生まれてくる子どもに障がいがあるとわかったとき、その子を産みますか?──「不幸な子どもを生まない運動」と「間違った命」訴訟
第五章 あなたは、悪質な遺伝子があるとしたら、それを断つべきだと思いますか?──NIPT・強制不妊救済法・相模原事件・優生思想
第六章 あなたは、代理出産を依頼しようと思いますか?──生殖技術の展開と自然主義VS契約主義
第七章 あなたは、自分の子ども同士の臓器移植を決めることができますか?──自己決定と子どもの権利
第八章あなたは、治る見込みはないのに、生かし続けられることを望みますか?
──カリフォルニア自然死法とクインラン事件
第九章 あなたは、家族が治る見込みがないとき、人工呼吸器を取り外すことに同意しますか?──射水市民病院事件と尊厳死運動
第一〇章 あなたは、「人生の最終段階」について何を語りますか?──日本版ACP「人生会議」
第一一章 あなたは、「脳死」は人の死だと思いますか?──「遅れた日本」と臓器移植法成立の意味
第一二章 あなたは、臓器を提供しますか?──臓器不足をめぐる問題
第一三章 あなたの命は誰のものですか?──医療技術の進歩と人間の生命
第一四章 あなたは将来、どのような世界を望みますか?──科学技術が見せる世界とわたしたち
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タイトル:『命は誰のものか 増補改訂版』
発売日:2021年4月23日
刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
仕様:携書判/408ページ
ISBN:978-4-7993-2729-6
価格:1320円(税込)