大ヒット『交通誘導員ヨレヨレ日記』に続く著者最新刊! いよいよ色濃い、泣き笑い人間ドキュメント!!『75歳、交通誘導員 まだまだ引退できません』発売
株式会社河出書房新社(東京都渋谷区/代表取締役社長小野寺優)は、7万部超の大ヒットとなった前作『交通誘導員ヨレヨレ日記』(三五館シンシャ)に続く著者最新刊『75歳、交通誘導員 まだまだ引退できません』を7月25日(月)、全国書店にて発売しました。
- 誘導員が「誰でもなれる」「最底辺の仕事」と自嘲する業界の実態
警備業界のデータによると、60歳以上の警備員が全体の45%を占める。だが、著者の柏耕一氏によると「私が所属する警備会社は70代以上が80%」という。インフラ整備を支える現場は、多くの高齢者でもっているのだ。著者の同僚には85歳の人もいるが、彼らは働く理由を、口をそろえて「おカネのため」という。カンヌ国際映画祭で高い評価を受けた話題作『PLAN 75』(2022年6月公開)でも描かれたように、高齢になっても働かなくては生きていけない日本の現実に暗澹たる気持ちになるが、逆から見れば、交通誘導員は常に不足しており、手に職のない高齢者が採用されやすいといえるのだ。
- 交通誘導員がもっとも恐れるものとは?
交通誘導員は「ただ立っているだけ」ではない。厳しい暑さ・寒さに耐えながら、一歩間違えば人身事故と隣り合わせの仕事である。片側交互通行中にヒヤッとしたり、未熟なドライバーに慌てたりすることもしばしばだが、なんといっても歩行者やドライバー、近隣住民からの「クレーム」は絶対に避けなければならない。ささいなクレームに交通誘導員が適切に対応できなかったがために事が大きくなり、工事が何日間も中断することさえあるからだ。そうなれば、以降、当人はその現場では働けなくなるし、所属する警備会社も信頼を失う。
- あまりにも赤裸々な、人間くさい世界
著者の柏氏は、編集者・ライターとしてミリオンセラーも出したが、いろいろあって66歳のときに交通誘導員になった(なるしかなかった)。そして、いざ入った世界があまりにも人間くさいことに驚く。はなから相手を見下す者、やる気のない者、不正を働いて責任を部下になすりつける者……。有名企業を辞めて警備員を始めるなどワケありの人もいる。いい人もいれば悪い人もいるのが世の常だが、さまざまな前歴・前職を持つ人間が集うこの世界では、それがはっきりと顕在化するのだ。ひとたび「合わない」となると、人間関係のストレスは案外大きい。本書の真骨頂はまさに、前作を上回る濃度の「人間ドキュメント」として読めるところです。
- 目次
1章 後期高齢者でも働きます
2章 今日の現場も気が抜けない
3章 この驚くべき人間見本市
4章 コロナ禍の交通誘導員
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