心に鬼を 魂に炎を キレイごとだけでは語れない親子の人生。人は闇に落ちてしまうのか?(その4)

心に鬼を 魂に炎を (その4)

キレイごとだけでは語れない親子の人生。人は闇に落ちてしまうのか?

鬼岩 正和(おにいわ まさかず)

「そういうことね。まぁ出てこない方が面倒臭くなくていいから。」

「それはそうだな。とはいえ、かかりつけの医者もいないと困るな。」

「え?なんで?」

「ん?ハッキリ覚えていないけど、自宅で死んだんだよ。不審死になるんじゃなかったかな?この後が大変だな。」

 

病院につくと、待合室におばあさんが待っていた。

もっとしっかりしているように思っていたが、その後ろ姿は妙に頼りなく感じた。90歳近いのだから当然なのだろうが、おじいさんの世話をしながら家事などもやっていたから元気そうに感じていただけなのだろうか。

 

「そこの受付にお願い。私には何だかわからないから」

 

受付に行き「少し前に運ばれてきた田中ですが」というと

「田中さん、そちらで少しお待ちください。」と言われたので、一緒に待合室で待っていると、事務員らしきおじさんがやってきた。

 

 

「田中さんですね。事務の富永です。もう少しで警察の方が来ますので、それまでもうしばらくお待ちください。」と言って、また奥に行ってしまった。

 

まるで事務の人がいなくなるのを待っていたかのように

「なんで警察が来るの? 何か悪いことをした? 疑われてるの?」

と、母と女房からチンプンカンプンな質問攻めにされて面倒になるのだが、やはり、ちゃんと教えておくべきなのだろうと思いながらも

「ちょっと飲み物を買ってくる。何か飲む?」

 

自動販売機からお茶とコーヒーを買いながら、会社の上司に連絡していないことに気づき、夜中に申し訳ないと思いながらも電話をして、しばらく休むことを伝えた。

買ってきたお茶を渡しながら

「警察が来るのは、じいさんが自宅で死んだからね。かかりつけの医者がいれば医者を呼んで済むんだけど、じいさんの性格だから仕方ないよ。」

エッセイ不審死,警察

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